付点リズムと三連符の違い:ピアノで長さを聴き分ける練習

Enea — Vienna Piano School 主宰
Enea

同じ「長い音+短い音」でも、次の音が入る位置は変わります。三つの比較図とハイドンの譜例で、四等分と三等分を耳と鍵盤で確かめます。

付点リズムと三連符は、どちらも「タターン」「タータ」のような言葉で覚えると、長さが混ざりやすいものです。違いをつかむ鍵は、一拍をいくつに分け、そのどこで次の音を鳴らすかにあります。

四分音符を一拍とすると、付点八分音符と十六分音符の組は、一拍を四つに分けた「3つ分+1つ分」です。八分音符の三連符は、一拍を三つに等分します。その最初の二つをつなぐと「2つ分+1つ分」になります。同じ長短の二音でも、短い音が入る時点が変わります。

同じ一拍を、どう分けるか

ここでは四分音符=一拍。下の帯は、どれも一拍分の長さです。

付点八分+十六分

3:1

3/4拍 + 1/4拍

一拍を四等分。最後の一つ分で次の音。

均等な八分三連符

3

1:1:1

1/3拍 + 1/3拍 + 1/3拍

一拍を三等分。三つとも同じ長さ。

三連符の長短二音

3

2:1

2/3拍 + 1/3拍

三等分の最初の二つ分を、一音で保つ。

付点は「元の長さの半分」を足す

音符の右横にある付点は、その音符の長さの半分を加える記号です。八分音符に付点を付けると、八分音符と十六分音符を合わせた長さになります。十六分音符を一つの小さな単位として数えれば、二つ分に一つ分を足して、合計三つ分です。

そこへ十六分音符を一つ置くと、「3+1」で四分音符一つ分になります。付点八分音符が一拍の4分の3、続く十六分音符が4分の1です。短い音は、一拍のかなり後ろにあります。

まず同じドで、均等な四つの音を弾いてみてください。次に、最初の音を三つ分保ち、四つ目の位置でもう一度ドを弾きます。心の中の四つの刻みはそのままに、鍵盤を鳴らす回数だけを二回に減らします。長い音を感覚で引き延ばすより、短い音の位置を確かめられます。

点の場所にも注目しましょう。音符の右横の点は長さを増やします。音符の上や下に付いた点はスタッカートの記号で、音の離し方に関わります。譜読みの途中でこの二つが混ざると、長さとタッチを同時に変えてしまいます。

三連符は一拍を三つに等分

ここで扱う八分音符の三連符は、四分音符一つ分の時間を三つに分けます。三つの音は同じ長さです。「最初を長く、残りを急いで」という形にせず、次の拍まで均等に並べます。

同じドを三回弾き、その次に次の拍のドを弾いてみましょう。三つ目だけを次の拍へ近づけると、最初の二つの間隔より、最後の間隔が短くなります。三つを一組として弾いたあとにも、次の拍へ同じ間隔で続くことが大切です。

私は三連符が偏って聞こえるとき、三つ目の音と次の拍の頭を聴きます。最初の三音だけでは整っているように感じても、そのあとに隙間ができたり、次の拍が早く来たりするからです。拍をまたいで聴くと、三等分が続いているかがわかります。

楽譜では、音符をまとめる数字の「3」が目印になります。ただし、三連符には四分音符の三連符など、ほかの長さの組もあります。数字だけを見るのではなく、その組が楽譜のどれだけの時間を占めているかを読みます。

「3対1」と「2対1」の聴き分け

三つの均等な音のうち、最初と二つ目をタイでつなぐと、最初の音を二つ分保ち、三つ目の位置で次の音を鳴らす形になります。二音の長さは2対1です。三連符の範囲の中に四分音符と八分音符を書く形でも、同じ長さを表せます。

付点八分音符と十六分音符の3対1と比べると、2対1の短い音は少し早く入ります。一拍の終わりをそろえて交互に弾くと、違いがはっきりします。

短い音が始まる位置

左右の端は、拍の頭と次の拍の頭。縦の境目で二つ目の音を鳴らします。

図は横にスクロールできます。

拍の頭次の拍の頭

付点の長短

長い音:4分の3拍
短い音

三連符の長短

長い音:3分の2拍
短い音

三連符の長短では、短い音が少し早く入ります。組全体の長さは同じです。

図の線を目で追いながら、長い音から短い音へ移る瞬間を声で示してみましょう。付点では一拍の4分の3を過ぎたところ、三連符の二つ分を保つ形では3分の2を過ぎたところです。どちらも短い音を弾いたあと、次の拍の頭へ到着します。

「タータ」という言葉は、二つのリズムのどちらにも聞こえます。言葉に乗せる前に、四つの刻みか三つの刻みかを選んでください。その区別が耳に入ると、付点を三連符のように丸く弾いていた箇所や、三連符を付点のように引き締めていた箇所に気づきます。

鍵盤で比べる短い練習

四分音符の拍をゆっくり刻み、その一拍に入る音を変えてみます。最初は一つの鍵盤で行うと、音高や指使いから離れて時間に集中できます。

  • 付点の組:一拍を四つに感じ、最初を三つ分保って、四つ目で弾く。
  • 均等な三連符:一拍を三つに感じ、三つとも鳴らす。
  • 三連符の長短:同じ三つの刻みで、最初を二つ分保ち、三つ目で弾く。

それぞれを数拍続けてから切り替えます。切り替わるたびにテンポまで変えず、拍の幅を同じに保ってください。メトロノームを使う場合は四分音符の拍を鳴らし、細かな位置は自分で感じます。

次にドとレの二音にして、長いドから短いレ、次の拍のドへ進みます。短いレだけを強く弾くと、その音の長さ以上に目立ち、リズムの印象が変わります。最初は音量をそろえ、鳴らす時点を比べましょう。

振り子が動く木製のメトロノーム

一度録音したら、短い音の位置と次の拍の到着を聴きます。拍の頭は合っているのに中が曖昧なら、四等分と三等分へ戻ります。切り替えたあとの拍がずれるなら、直前の一拍と次の一拍を続けて練習します。ずれた場所によって、戻る範囲も変わります。

タイと休符で変わるもの

タイでつながれた同じ高さの音は、続けて保ちます。三連符の最初の二音をタイで結んだ場合、二つ目の位置では鍵盤を弾き直しません。耳には二音でも、時間の土台には三つの等しい位置が残ります。

一方、三連符の真ん中を休符にすると、最初の音のあとに無音が入り、三つ目で次の音が鳴ります。長く保つ形とは、響きの残り方が違います。鳴らす時点だけを見ると似ていても、音の長さまで同じにはなりません。

三つの位置は、そのまま残る

一列で四分音符一拍分。三つの区画は同じ長さです。

図は横にスクロールできます。

1つ目2つ目3つ目

三つとも弾く

ドを弾く
ドを弾く
レを弾く

最初の二つをタイで結ぶ

ドを弾く
同じドを保つ
レを弾く

真ん中が休符

ドを弾く
離して休む
レを弾く

ペダルを踏んだまま比べると、休符の間にも響きが残り、この違いが聞こえにくくなります。まずペダルを外し、タイなら保つ、休符なら離すという音の変化を聴いてください。短い無音にも、三等分した一つ分の時間があります。

スラーも曲線ですが、異なる高さの音をつなぐスラーでは各音を鳴らします。タイをスラーとして読み、つながれた音を毎回弾き直すと、予定より多くの発音が生まれます。譜読みでは曲線の両端の高さと、音符の長さを一緒に見ます。

ハイドンの譜例で読む

ハイドンのソナタ Hob. XVI:35の第1楽章には、付点の短い動きと、流れる三連符の伴奏が登場します。まず右手の冒頭を見てみましょう。最初の二音は、付点八分音符と十六分音符です。

第1楽章冒頭、右手の一拍

ハ長調、4分の4拍子。付点八分音符+十六分音符のアウフタクトです。

譜例は横にスクロールできます。

ハイドンHob.XVI35第1楽章冒頭の右手。ト音記号と4分の4拍子に続き、付点八分音符と十六分音符がスラーで結ばれている。
譜例を大きく開く

この二音は、最初の完全な小節へ入る前の一拍分です。付点の音を三つ分保ち、短い音を四つ目の位置に置いて、次の小節の頭へ進みます。二音だけで止めず、その先の着地点まで弾くと、短い音が次の音へ向かう感じをつかめます。

今度は第8小節の左手です。三つずつ束ねられた八分音符が、一拍を三等分して進みます。最初の組にある「3」が、その分け方を示しています。

第8小節、左手の四拍

ト音記号、ハ長調。三つの八分音符で一拍、その組が四つ続きます。

譜例は横にスクロールできます。

ハイドンHob.XVI35第1楽章第8小節の左手。四組の八分音符三連符が続く。最初の組の下に数字3が記されている。
譜例を大きく開く

一小節は四拍で、それぞれの拍に三つの音が入ります。音の高さが上がっても、三つ目を急いだり、次の組の最初で待ったりせず、次の拍まで均等に続けます。この伴奏を三つずつの和音にまとめて弾くと、四拍の骨組みも聴けます。

同じ楽章の中でも、付点の動きには短い音が後ろへ寄る輪郭があり、三連符の伴奏には均等な流れがあります。まずそれぞれの手のリズムを別々に読んで、その性格の違いを耳に入れましょう。

拍子が変わったときの読み方

付点四分音符と八分音符の組も、長さの比は3対1です。ただし、四分音符を一拍と数える4分の4拍子では、組全体で二拍を使います。付点が付いているからといって、いつも一拍に収まるわけではありません。

8分の6拍子では、通常、付点四分音符を大きな一拍と感じ、一小節を二拍にまとめます。その一拍に入る三つの八分音符は、拍子そのものの三分割です。三つずつに見える音符を、すべて例外的な三連符として読む必要はありません。

楽譜を見るときは、最初に拍子を確認し、次に大きな一拍の長さを決めます。その中で、普通に二つへ分かれるのか、三つへ分かれるのか、数字で別の分け方が指定されているのかを読みましょう。音符の見た目と拍の単位を結び付けて読む習慣が、速い曲でも役立ちます。

フレーズの中へ戻す

長さの比を確かめたら、曲の前後を含めて弾きます。付点の短い音が次の拍へ向かうのか、三連符が旋律を滑らかに運ぶのか。リズムは正しい場所に音を置くと同時に、フレーズの表情も作ります。

私は細かく数えたあと、一度声で歌い、そのまま鍵盤へ戻ることがあります。数えるために付いたアクセントが消え、音楽の向かう先が聞こえるかを確かめるためです。拍の幅と短い音の位置を保ちながら、ひとまとまりの旋律として弾いてみてください。

両手で異なる分割を同時に弾く課題に進むときは、ピアノの3対2のリズム練習で、それぞれの音が重なる位置を扱っています。譜読み全体を整理したい方には、音のまとまりを先読みする練習もあります。

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