中学生・高校生からピアノを始める:曲選びと初めてのレッスン

Enea — Vienna Piano School 主宰
Enea

中学生・高校生から初めてピアノを習いたい方へ。好きな曲と最初の教材、楽譜や両手の基礎、部活動・定期試験との両立、家の楽器を考えながら、本人の関心を中心にレッスンを選ぶ方法を紹介します。

中学生・高校生になってから、初めてピアノを習う。合唱の伴奏をする友達や、好きな曲を弾く動画を見て、「自分も弾いてみたい」と思ったことがきっかけかもしれません。その一方で、周りには小さい頃から習っている人がいて、今から始めることに少しためらいもあるでしょう。

中学生・高校生からでも、ピアノのレッスンは始められます。最初に考えたいのは、同級生に追いつくまでの年数より、どんな音楽を弾きたいか、そのために今何を覚えるかです。好きな曲への関心を持ちながら、鍵盤、拍、楽譜、両手の役割を少しずつ学んでいきます。

  • 弾いてみたい曲と、その曲の好きなところを一つ選ぶ。
  • 今取り組む短い曲と、これからの目標にする曲を分ける。
  • 通学・部活動・定期試験を含めて、楽器に触れられる時間を考える。
  • 体験レッスンでは、本人の言葉で興味や疑問を伝える。
木製のアップライトピアノと赤い丸椅子

初心者の出発点

何年も習ってきた友達は、鍵盤の位置を確かめる動きや楽譜を読む作業を、すでに繰り返し経験しています。その演奏と自分の初日の演奏を比べると、差ばかりが目に入ります。まずは、自分が今できることを先生と確かめましょう。音楽の授業で歌った経験、吹奏楽部での演奏、リズムに合わせて踊ることも、音楽との接点です。

たとえば、メロディーを聴いて口ずさめる人は、その形を耳で覚えています。手拍子で拍を保てる人は、時間の流れを感じています。ピアノでは、その感覚に鍵盤上の動きと楽譜の読み方を加えます。ほかの楽器を弾いてきた人も、ピアノ特有の両手の分担や音の出し方は改めて学びます。

私は初めてのレッスンで、好きな曲のどこに惹かれるのかを聞きたいと思っています。「このメロディーが歌みたい」「低い音が続くところが好き」という答えから、その人が何を聴いているかが分かるからです。曲名だけでなく、好きな部分を一緒に聴くと、最初の課題にも音楽上の目的が生まれます。

初歩の教材でも、音楽の表情まで幼くする必要はありません。静かな曲、リズムのはっきりした曲、先生との連弾など、短い作品にも選択肢があります。年齢に合う説明を受けながら、弾く内容は現在の経験に合わせる。それが、中高生の初心者にとって大切なレッスンの組み立て方です。

好きな曲と最初の一曲

憧れの曲を目標にするのは、練習の楽しみになります。ただ、その曲の全ページが初めての技術で埋まっていると、次の音を探すだけで時間が過ぎてしまいます。今弾く曲には、拍を保つ、短い旋律を歌わせる、左手を一度動かすなど、中心になる課題を絞っておきましょう。

同じ曲名でも、楽譜によって難しさは変わります。メロディーだけの楽譜、和音を減らした編曲、原曲の響きを細かく再現した編曲では、必要な動きが違います。「初心者向け」と書かれていても、左手の跳躍や細かいリズムが多いことがあります。購入前に候補の楽譜を先生と確認し、どこを学ぶための一曲にするかを決めます。

アニメや映画の曲が好きなら、その曲のどんな響きを残したいかを考えてみてください。ゆっくりしたメロディーが魅力なら、まず旋律と少ない低音で曲の輪郭を作る方法があります。伴奏の動きが魅力なら、短い音型を均等に弾く練習が目標になります。音を減らすときも、曲らしさを生む要素を聴いて選びます。

クラシックに興味がある場合も、有名曲だけで最初の教材を決めるとは限りません。短い作品で音の強弱やフレーズの終わりを扱い、その経験を次の曲へ持っていきます。初心者のクラシック曲の選び方では、曲名と難易度表示だけに頼らず、楽譜の中身から選ぶ視点を紹介しています。

好きな音楽から、最初の課題を選ぶ

好きな旋律を弾きたい

レッスンで話すこと
曲名と、歌いたくなる部分を伝える。
初めに試すこと
短い旋律の拍を保ち、終わりの音まで聴く。
聴いて確かめること
音を探すところで止まらず、一つのフレーズとして聴こえるか。

伴奏の響きが好き

レッスンで話すこと
低音や繰り返す音型の、好きな響きを探す。
初めに試すこと
少ない音で伴奏の型を弾き、音が変わる場所を覚える。
聴いて確かめること
低音の移動で拍が崩れないか。旋律を邪魔する大きさになっていないか。

誰かと一緒に弾きたい

レッスンで話すこと
連弾や歌との共演など、やってみたい場面を話す。
初めに試すこと
先生の演奏を聴きながら、自分の短いパートを弾く。
聴いて確かめること
同じ拍で始まり、相手が弾いている間も音楽を追えるか。
体験レッスン用のメモ

弾きたい曲:__。その曲の好きなところ:__。これまでの音楽経験:__。使える楽器と時間:__。忙しくなる曜日や時期:__。レッスンのあとに、最初に練習する範囲と、聴くポイントを一つ書き足します。

Vienna Piano School
グランドピアノを弾く生徒に、楽譜を示しながら指導する講師。

クラシックピアノ個人レッスン

弾きたい音楽を中心に、一人ひとりに合わせたレッスン。

池袋・新宿のピアノスタジオで、55分・4,800円の対面レッスン。

ウィーン育ちのコンサートピアニスト、Enea。

Enea

ウィーン育ちのコンサートピアニスト

無料体験レッスンを申し込む

体験30分 · 池袋・新宿のピアノスタジオで2026年10月から

楽譜と拍の基礎

楽譜を読むときは、音名と同じくらい、音を出す時刻と長さが大切です。ド、レ、ミが分かっていても、一音ごとに止まると旋律のリズムは消えてしまいます。最初は短い範囲を見て、音の高低とリズムを別々に確かめ、最後に合わせてみましょう。

鍵盤では、黒鍵が二つ並ぶ場所と三つ並ぶ場所を見つけます。それを手がかりにドなどの位置を探し、別の高さにある同じ音も弾きます。毎回端から数えるより、鍵盤の模様と音の場所を対応させるほうが、途中で位置を見失ったときにも戻る手がかりになります。

楽譜では、基準になる音をいくつか覚えたうえで、隣へ進む、同じ音を繰り返す、一つ飛び越えるといった動きを読みます。全部の音符の下に音名を書いて終わりにせず、前の音との関係も見てください。同じ形が次の段に現れたとき、自分で気づけることが読譜の一歩です。

拍の練習には、音を一つだけ使う方法もあります。短い旋律のリズムを手拍子で確かめ、そのリズムを一つの鍵盤で弾いてみます。音の場所を探す作業が減るので、長く保つ音や休符にも注意を向けられます。そのあと旋律の音に戻し、同じ時間の流れを保てるかを聴きます。

歌える曲ほど、耳の記憶で弾けてしまうこともあります。そこで楽譜を見なくなるのではなく、「今歌っている長い音は、どの音符なのか」と対応を確かめます。耳で知っていることと紙に書かれていることを照らし合わせると、知らない曲を読むための手がかりも増えていきます。

覚えた曲を仕上げる時間とは別に、初めて見る短い譜面にも触れてみましょう。弾く前に、最初の音、拍子、いちばん長く伸ばす音を見ます。次に、数小節を止まらずに読める速さで試します。弾き慣れた曲では指の順番を覚えていても、新しい譜面では読み方そのものを使います。どこを見ればよいか分からなかった箇所を先生に示すと、基準の音やリズムの数え方を改めて確認できます。

両手で弾く準備

右手は弾けるのに、左手を加えると止まってしまう。これは最初のレッスンで扱う大切な課題の一つです。両手で何が同時に起こり、どちらの手が待つのかを、小さな範囲で確かめます。片手ずつ一ページ弾けることと、両手の関係を理解することは、それぞれ練習する内容です。

たとえば、右手は一拍に一音ずつ四つの音を弾き、左手は最初に低い音を一つ弾いて四拍伸ばすとします。両手が一緒に始まるのは一拍目だけです。二拍目からは右手が動いても、左手は押さえた音を保ちます。左手まで右手と一緒に動かしたくなるところを、音の役割とともに確認します。

次に、二小節目の頭で左手の音を変えてみます。新しく加わる動きは一回です。右手の旋律を止めずに低音が変わるか、低音のほうが大きく飛び出していないかを聴きましょう。小節を増やす前に、その一回の変化を音楽の流れの中に置きます。

先生が伴奏し、生徒が旋律を担当する連弾も、全体の響きを知る機会になります。自分の音だけを追うときと、ほかの音を聴きながら拍を保つときでは、注意の向け方が変わります。最初から複雑な両手の曲を選ばなくても、誰かと音楽を共有する経験は作れます。

部活動と定期試験

中高生の練習計画は、平日と休日だけでは分けきれません。部活動のある日、塾へ行く日、定期試験の前では、帰宅時間も集中して使える時間も変わります。まず一週間を思い浮かべ、楽器に向かえる場所と時間を探しましょう。先生には、忙しくなる時期も早めに伝えておきます。

普段の練習では、通し演奏の前に一つ課題を決めます。「今日は全部を三回」より、「二段目に入るところで拍を止めない」と決めたほうが、弾いたあとに何を聴くかが明確です。数小節を試し、引っかかる場所を確かめ、少し前からつなげて弾き直します。最後に長めの範囲へ戻して、流れを聴きます。

試験前は、新しいページを増やす代わりに、すでに弾ける短い曲の音を整える方法があります。旋律を歌う、左手の移動だけを確かめる、終わりの音を丁寧に聴くなど、その日の時間に合う課題を先生と選びます。忙しい週を普段の練習量だけで採点すると、続けること自体が重荷になりがちです。

時間が取れる日に、止まらず一曲弾く機会も作りましょう。部分練習で直した箇所が曲全体でも保てるか、途中から急に速くならないかを確かめます。短い練習と通し演奏は、互いの代わりではなく、聴く範囲が違います。毎日の分数だけでなく、その週に何を理解したかもレッスンへ持っていきます。

家の楽器と練習場所

レッスンの間に、どの楽器をいつ使えるかは、始める前の相談事項です。家に鍵盤楽器がある場合は、種類や型番、置き場所を先生に伝えます。鍵盤を押す強さで音量が変わるか、椅子の高さを調整できるかなど、練習内容に関係する点を確認しましょう。

これから楽器を用意する場合は、先に予算と置ける場所を整理します。電子ピアノ、アコースティックピアノなどの候補を、実際に何を練習するかと合わせて検討します。初心者の電子ピアノ選びも参考になりますが、購入を急ぐ前に体験レッスンで相談する方法もあります。

家族と同じ部屋を使うなら、宿題や食事の時間と重ならない練習時間を話し合っておきます。ヘッドホンを使える楽器でも、鍵盤を押す音や床へ伝わる振動は別にあります。住まいの使用ルールを確認し、夜遅い時間だけを練習の前提にしない計画を立てます。

家での練習が難しいときは、ピアノのある練習室を使う選択肢もあります。ただし、利用料金だけでなく、通学経路からの移動や予約の手間も続け方に影響します。学校の楽器を使いたい場合も、使用できる時間や条件を学校に確認してください。「空いていれば弾けるはず」で計画を組まず、実際に触れられる機会を確保します。

電子鍵盤の白鍵と黒鍵を片手で弾いている様子

本人が話すレッスン

体験レッスンでは、保護者の方がこれまでの経験や予定を説明する場面もあるでしょう。その中で、本人が弾きたい曲や困っていることを話す時間を持つことが大切です。「友達みたいに弾きたい」の先に、どんな音や場面に憧れているのかを聞いてみます。

先生を選ぶときは、話しやすさに加えて、説明を受けたあとに自分の演奏がどう変わるかを体験してください。音を聴く、先生の実演を見る、自分で試す、もう一度聴く。このやり取りがあれば、課題の意味を持ち帰れます。教材を何冊進めるかだけでは、レッスンの中身は分かりません。

終わりには、家で行う練習をその場で一度試してみましょう。「ここを練習してきて」と言われた場所を弾き、何に注意するのかを自分の言葉で説明します。音を覚えるのか、拍を保つのか、左右の音量を変えるのか。その違いが分かると、家での練習にも聴く対象ができます。

保護者の支えは、楽器に触れる時間を守ることや、通う予定を一緒に考えることにもあります。毎回の練習を横で採点するより、本人が新しく気づいたことを聞いてみてください。「左手を小さくしたらメロディーが聴こえた」という発見は、短い曲でも本人の音楽上の判断です。

レッスン中に先生が弾いた音を、すぐ同じように再現できないこともあります。そのときは「何が違ったか」を一つ言葉にしてみてください。終わりが静かだった、左手が目立たなかった、途中で急がなかった、という聴き方です。次に自分が試すことを選んでから弾くと、ただ手の形をまねる時間から、音の違いを調べる時間に変わります。演奏の説明を自分で持つことも、レッスンで育てたい力です。

最初の目標と相談

初めの目標は、ほかの人が弾く難曲の名前だけでなく、自分の演奏で確かめられる形にします。短い曲を拍を保って弾く、初めて見る旋律の動きを読む、最後の音まで聴いて終える。こうした変化を先生と確かめながら、次の曲を選びます。

同じ数小節を、日をあけて録音して聴く方法もあります。最初は左手を置き直すたびに止まっていたのに、今は旋律が続いている。速さは同じでも、最後の音が急に切れなくなった。そうした変化を一つ選んで聴きます。録音のたびに演奏全体へ点数を付けるより、前回の課題がどう変わったかを確かめるために使いましょう。

発表会、学校での演奏、合唱伴奏に興味が出てきたら、その時点の課題として相談しましょう。合唱伴奏なら、自分のパートを弾くことに加え、歌や指揮を聴いて合わせる練習も必要です。最初から大きな役割を急いで引き受けるより、短い連弾や人前で一曲弾く経験から、演奏の場を広げていけます。

ウィーンピアノスクールでは、中学生以上の方を対象に、初めての鍵盤からクラシックの専門的な学習まで指導します。対面レッスンは、2026年10月から池袋・新宿のピアノスタジオで行います。通常レッスンは55分・4,800円です。

無料30分の体験レッスンでは、好きな曲、これまでの音楽経験、家で使える楽器、学校生活の予定をお聞かせください。今の関心から最初の一曲を選び、何を聴いて練習するかを一緒に確かめます。

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