英語でピアノを習うには?大人のレッスンの会話と始め方

Enea — Vienna Piano School 主宰
Enea

英語でピアノを習いたい大人の方へ。短い指示を聴き、音で応え、質問する場面を日本語の説明付きで紹介します。英語とピアノの経験に合わせた進め方、練習メモ、新宿・オンラインでの受講も解説します。

英語でピアノを習うときは、短い指示を聴き、先生の音を確かめ、実際に弾いて応えるところから始められます。言葉と同時に、楽譜、鍵盤、音の見本があるのがピアノのレッスンです。大切なのは、英語を使いながら、今日の演奏で何を学ぶかを共有することです。

私は日本語・英語・ドイツ語でピアノを教えています。日本語を主に使う方が英語で学ぶ場合も、まず聴きたいのはその方の音楽です。弾いてみたい曲、気になる響き、手が止まる場所。その話題から、必要な言葉を少しずつ増やしていきます。

最初に相談したいのは、次の四つです。

  • ピアノの目標:今の曲で、どんな音や弾き方を育てたいか。
  • 英語を使う場面:指示を聴く、質問する、演奏について話す、のどこから始めたいか。
  • 日本語の補足:詳しい説明が必要なとき、どう切り替えるか。
  • 受講形式:東京・新宿での対面か、自宅の楽器を使うオンラインか。

この記事では、日本語話者の大人が英語でピアノを学ぶ場面を、短い会話と音楽の例で紹介します。Vienna Piano Schoolでは現在オンラインで指導しており、東京・新宿での対面レッスンは2026年10月からを予定しています。

窓から光が入る音楽室のグランドピアノ

ピアノの目標と英語の使い方

「英語を使ってみたい」と「ピアノを上達させたい」は、一つのレッスンの中で一緒に扱える目標です。その日の音楽の課題を決めると、英語にも役割が生まれます。たとえば、短い曲の終わりを落ち着いて弾く、一定の拍を保つ、二つの声部を聴き分ける、といった課題です。

最初は先生の指示を英語で聴き、質問や感想は日本語で伝える進め方もあります。別の方なら、弾いたあとに一文だけ英語で話すところから始めるかもしれません。英語を使う量は、説明を受け取れているか、音を聴く余裕があるかを見ながら相談します。

私なら、演奏中に次の英作文を考え続ける状態にはしたくありません。まずフレーズを弾き、響きを聴き終えてから話します。言葉を探している間は先生が待つ。表現が見つかったら、もう一度音に戻る。この往復の中で、英語と演奏の両方に注意を向ける時間をつくります。

体験の際には、英語の学習歴とピアノの経験を別々に伝えてください。仕事では英語を使うけれど楽譜の言葉は初めて、あるいはピアノは長年弾いてきたけれど英会話には慣れていない、という組み合わせもあります。それぞれの出発点に合わせて、音楽の内容と説明の量を選びます。

耳と楽譜で受け取る英語

レッスンの英語は、目の前の動きと一緒に聴くと意味を捉えやすくなります。先生が楽譜の5小節目を指して「Start from bar five」と言い、その場所から弾く。次に同じ言葉を聴いたときには、数字と小節の位置に注意を向けます。こうして指示のまとまりを覚えていきます。

Barは小節で、measureという言い方もあります。Beatは拍です。「bar three」と「beat three」は、3小節目と3拍目という違いがあります。数字だけを聞き取って始めるより、楽譜上の場所を先生と確かめるほうが、曲のどこを扱っているかが明確です。

音の高さと大きさにも注意してみましょう。Higherは音の高さについて、louderは音量について使います。先生が高い音を弾いて見せたのか、同じ音を大きく弾いたのかを聴き分けます。知っている単語でも、実際の音を伴うと意味の輪郭がはっきりします。

音と一緒に覚える、四つのやり取り
Start from bar five.5小節目から弾きます。From here?ここからですか。
Keep the pulse steady.拍の流れを一定に保ちます。I rush here.ここで急いでしまいます。
Play the last note more softly.最後の音を、もっと小さな音量で弾きます。This one?この音ですか。
Tell me what changed.聴こえ方の変化を伝えます。The ending sounds calmer.終わりが落ち着いて聴こえます。

すべての言葉を一度に拾おうとするより、その指示が「始める場所」「保つこと」「変える音」のどれを示すかを考えます。たとえば「Play the last note more softly」なら、変えるのは最後の音の音量です。最初から全体を遅くしたり、小さくしたりする必要はなく、指定された一音で試します。

同じ指示でも、曲によって求める音は変わります。Softlyを、ただ鍵盤を浅く触る動きとして覚えてしまうと、音が抜けることがあります。先生の見本を聴き、自分でも響きを確かめながら、言葉と音を対応させましょう。

Vienna Piano School
グランドピアノを弾く生徒に、楽譜を示しながら指導する講師。

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ウィーン育ちのコンサートピアニスト、Enea。

Enea

ウィーン育ちのコンサートピアニスト

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一つのフレーズの会話

短い例として、4拍子の一小節を考えます。1拍目にド、2拍目にミを四分音符で弾き、3拍目からソを二分音符で保ちます。ペダルを使わず、最後のソを途中で切ってしまう場合に、先生が「Hold the G for two beats」と伝えます。「ソを2拍分保って」という意味です。

ここでの課題は、ソを強くすることでも、テンポを遅くすることでもありません。1・2・3・4と流れる拍の中で、ソの長さを保つことです。先生と数えながら弾き、次は声に出さずに同じ長さを聴きます。短い英語の指示に対して、変化を音で返す例です。

最後のソを、2拍保つ

Hold the G for two beats.

4分の4拍子。ド・ミは各1拍、ソは2拍。ペダルは使いません。

1拍目
2拍目
3拍目
4拍目
C
E
Gソを保つ →

次の小節の1拍目で離す

「2拍」の数え方

ソを弾くのは3拍目の始まりです。4拍目の始まりで離すと、長さは1拍になります。拍を等間隔に数え、3・4の両方を通して保ち、次の1で離します。音が伸びている間も拍は進んでいます。

弾いたあとには、「I stopped too soon」(早く切りすぎました)や「This time I held it」(今度は保てました)と、自分がしたことを話せます。初めは単語を先生に手伝ってもらい、次の演奏で同じ観察を自分から伝えてみます。発言するための話題が、直前の音の中にあります。

私は、このような短い会話でも、生徒さんが何を聴いたかを知りたいと思います。鍵盤を押していた時間だけでなく、最後の音が残る間にも拍を感じていたか。ソを離す瞬間まで、気持ちがフレーズの中にあったか。英語の表現は短くても、音楽の問いは深くできます。

実際の作品では、音を保つ長さに加えて、離すタイミングや次の休符にも意味があります。楽譜の音価を確かめたうえで、終わり方の違う二つの見本を聴き、どちらが曲の性格に合うかを考えます。「I prefer the second one」(二つ目のほうが好きです)から、好みの理由を少しずつ説明していけます。

質問と日本語の補足

聞き取れなかったときには、どの部分を知りたいかに合う質問を使います。始める場所なら「From here?」(ここからですか)、もう一度音を聴きたいなら「Could you play it again?」(もう一度弾いていただけますか)。説明の速さなら「Could you say that more slowly?」(もう少しゆっくり言っていただけますか)です。

「わかりません」という状態にも種類があります。言葉を聞き取れなかったのか、単語の意味がわからなかったのか、求められている音が想像できないのか。たとえば英語の文は理解していても、a warmer soundという響きをどうつくるかは、実演を聴いて考えたいところです。

こうしたときは、先生に二つの音を弾いてもらい、違いを日本語で説明してから、必要な英語を確認する進め方があります。「後の音のほうが丸く感じました」と自分の耳の印象を伝え、その場に合う表現を一緒に探します。辞書の訳語を先に覚えることとは、学びの順序が異なります。

細かな身体の使い方や複雑な和声の説明などは、日本語の補足を入れて内容を理解し、そのあと英語の短い指示で試せます。理解したことを最後に言い直せると、先生にも伝わり方がわかります。「So, I keep the tempo」(つまりテンポは保つのですね)のように、一つの要点を確認して音に戻ります。

文法の小さな誤りを毎回止めて直すかどうかも、レッスンの目的に関わります。私はまず、何を伝えたいのかと、その発言が演奏にどう関係するかを聴きます。意味が変わってしまう単語はその場で整理し、同じ言い方を次の試行でも使います。

楽譜にペンで書き込む手元のクローズアップ

英語で残す練習メモ

レッスンのあとに残す英語は、次の日の練習で使うものを選びます。「Practise more」だけでは、どこで何を試すかが残りません。「Bars 5–8: keep the pulse steady」(5〜8小節、拍を一定に)のように、場所と課題を組み合わせます。

メモは、先生の言葉をそのまま写すだけでなく、自分が聴いたことも一緒に残すと役立ちます。拍が速くなった場所に印をつけ、「I rush here」(ここで急ぎます)と書く。翌日、その箇所の前から弾いて、同じ変化が起きるかを聴きます。英語の一文が、練習で確かめる内容になります。

このとき、楽譜を英単語で埋める必要はありません。曲の音符やフレーズの記号が読める余白を保ち、繰り返し使う少数の言葉から始めます。別のノートに、その言葉が必要になった理由を書いてもよいでしょう。単語帳としての量より、弾いたときに思い出せることを大切にします。

次のレッスンでは、結果を一文で伝えてみます。「The rhythm is steadier now」(今はリズムが安定しています)に続けて、まだ気になる場所を弾く。「I still stop here」(ここではまだ止まります)と言えれば、その日の話題が生まれます。英語が、前回と今回の演奏を比べるために使われます。

録音を聴くときも、感想をたくさん並べるより、一つの変化に耳を向けます。最後の音を保てたか、休符まで拍を感じていたか。違いを自分で聴ける課題なら、短い英語で報告したあとに、演奏で詳しく示すことができます。

初級者と経験者の課題

ピアノを始めたばかりの方は、音を出す、拍を保つ、短いまとまりをつくる、といった音楽の基礎に英語を添えていきます。右手・左手、上がる・下がる、始める・止めるなど、実際にすることと一緒に言葉を使います。新しい言葉を増やす速さと、ピアノの内容が増える速さを見ながら進めます。

たとえば、五つの音を上がってから下がる短い形を弾くとします。最初は先生の指示を聴いて動きを覚え、次に生徒さんが「Up, then down」と言ってから弾く。今度は音を聴き、頂点をどのくらい目立たせたいかを話します。同じ材料で、動きの説明から音楽の選択へ進めます。

経験者なら、すでに考えている解釈を英語で説明することが課題になります。たとえば「I want this phrase to sound like a question」(このフレーズを問いかけのように聴かせたい)と言い、その意図に合う音の長さや間合いを試します。先生は別の弾き方を示し、どこで問いかけに聞こえたかを一緒に検討できます。

ここでは、英語が短いことと音楽の内容が初歩的であることを分けて考えます。長い説明がまだ難しくても、和音の響きやフレーズの方向について細かく聴く力は使えます。持っている演奏経験を土台にして、必要な言葉を増やしましょう。

海外の講習会や英語でのレッスンを視野に入れている方は、作品を紹介し、現在取り組んでいる問題を説明する練習もできます。作曲者と曲名に加えて、どの箇所を聴いてほしいかを話す。そのあとに来る質問にも、楽譜と演奏を使って応じる経験を重ねます。

新宿とオンライン

対面では、同じ楽器で先生の音を聴き、鍵盤や楽譜を一緒に見ながら話せます。英語の意味が曖昧なときにも、先生が指している場所や弾いている音を、その場で確かめられます。東京・新宿でのレッスンは2026年10月からを予定しています。

オンラインでは、自分が普段使っているピアノで、説明を聴いてすぐに試せます。先生と楽譜のページが違っていても、「bar five」のように小節を指定すれば場所を共有できます。指示のあとに一度弾き終え、その音について話す時間を取ることが大切です。

最初の接続時には、話し声とピアノの両方が届くかを確認します。英語の語尾を聞き返したいときと、ピアノの音が聞こえにくいときは、先生にその違いを伝えます。受講形式を比較したい方は、東京の対面レッスンとオンラインの選び方も参考にしてください。

形式を選ぶ際には、レッスン後に使える楽器と練習の時間も考えます。英語で聞いた課題を、その日のうちに少し試してみる。日を空けてもう一度弾き、変わったところを聴く。毎回新しい表現を増やすだけでなく、前に使った言葉を同じ曲の中で使い直す時間を持ちましょう。

英語のピアノレッスンの相談

体験では、弾きたい曲や現在の課題とともに、英語をどの場面で使ってみたいかを伝えてください。「指示を英語で聴きたい」「演奏の感想を話したい」「海外の先生に質問する練習をしたい」など、関心によってレッスンの会話は変わります。日本語で補足してほしい場面も一緒に相談します。

Vienna Piano Schoolでは、中学生以上の方と大人を対象に、ピアノと音楽のための英語・ドイツ語の学びを支えています。講師の背景と指導についてもご覧ください。

無料30分の体験レッスンでは、一つの音楽の課題を扱いながら、説明の受け取り方や質問の仕方を試してみましょう。英語で聴いたことが、次に弾く音にどう表れるか。その手応えを、続けるレッスンの出発点にできます。

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