海外から東京へ来た方のピアノレッスン選び:言語・楽器・進度の伝え方

Enea — Vienna Piano School 主宰
Enea

海外で続けてきたピアノを東京でも学びたい方へ。曲やグレードの伝え方、レッスンの言語、楽器が届くまでの練習、体験で聴きたいことを解説します。そのまま参考にできる日英の会話例と、先生への短い紹介文も掲載。

海外から東京へ移ってピアノを続けるときは、今弾いている曲を新しい先生に聴いてもらいましょう。そこに学習歴、希望する言語、使える楽器を添えて、次に取り組む曲や課題を相談します。海外での試験や教材は、元の名称のまま伝えてください。

帰国した大人、日本で初めて暮らす方、海外で学んできた中高生と保護者の方に向けて、レッスン選びの要点をまとめました。

初回相談のチェックリスト

  • 曲と目標: 最近の2〜3曲、今弾ける範囲、次に取り組みたいこと。
  • 学習歴: 教材名、試験の制度名・級・受験年、練習を休んだ期間。
  • 言語: 本人が説明を受けたい言語と、保護者が連絡に使う言語。
  • 楽器と時間: 自宅の楽器、練習室の利用予定、受講を希望する曜日・時間。
住宅や商業施設の向こうに高層ビルが見える東京・新宿の街並み

レパートリーと現在の演奏

私が新しい生徒さんの演奏を聴くとき、まず知りたいのは、どんな音楽に取り組み、その中で何を楽しんできたかです。「5年間習いました」に続けて、「最近はモーツァルトを弾いていて、軽い音で旋律を歌わせるのが好きです」と聞けば、その音を一緒に聴くところから始められます。

モーツァルトのソナタK.545なら、楽章と進度も添えます。第1楽章の譜読み中なのか、最後まで弾けるのか、発表会で演奏したのか。「右手の旋律は分かるけれど、両手になると左手の伴奏が大きくなる」という説明には、レッスンで扱う音の問題が表れています。

曲名だけでなく、状態を一言書いてみてください。

  • 弾き慣れた曲: 最後まで弾ける。フレーズの終わりをもっと自然にしたい。
  • 練習中の曲: 冒頭は弾けるが、中間部の左手の跳躍で止まる。
  • 以前の得意曲: 数年前には暗譜で演奏した。今は楽譜を見てゆっくり弾いている。

弾き慣れた曲では音色やフレーズを、練習中の曲では譜読みや動きを、再開する曲では記憶と現在の手応えを聴きます。この違いが最初の課題を決めます。曲を増やすことより、今ある演奏をどう育てるかを相談したい方も、その希望を伝えてください。

練習が途切れた時期も学習歴の一部です。「引っ越しの2か月間は楽器に触れていない」と分かれば、まず馴染みのある短い曲を弾き、テンポや練習量を調整します。体験用に曲全体を仕上げ直す必要はありません。途中の演奏からも、これまで身につけたことは聴こえます。

海外のグレードと日本の制度

試験を受けた方は、制度名、級、受験年、試験の種類を成績表の表記どおりに伝えます。同じ「Grade 5」でも、制度や受験ルートによって扱った課題が異なります。講評には、旋律の歌わせ方、拍の安定、初見など、その時点の強みと課題が残っています。

海外で学んできた方からは、次のような名称が出てきます。

  • ABRSM: Practical GradesとPerformance Gradesがあります。Practicalでは曲に加えてスケール、初見、聴く・歌う課題などを扱い、Performanceは演奏プログラムが中心です。級とルート名をセットで伝えます。
  • Trinity College London: 対面の試験と動画を提出するDigital Gradesなどがあります。受験した級、形式、演奏曲を添えます。
  • RCM(The Royal Conservatory of Music): カナダのCertificate Programです。Preparatory、Level 1〜10などの表記を使います。Pianoのレベルと、Theoryの学習・受験歴を分けて書くと、実技と理論の経験が分かります。
  • AMEB(Australian Music Examinations Board): オーストラリアの試験制度です。PianoとPiano for Leisure、ComprehensiveとRepertoireなど、科目や試験形式を確認します。証書にある名称を省略せず書きましょう。

日本でレッスンを探すと、ピティナ・ピアノステップ(PTNAステップ)ヤマハグレードという名前にも出会います。

ピティナ・ピアノステップは、人前で演奏し、アドバイザーから評価やメッセージを受ける機会です。23段階の合格を目指す「23ステップ」と、演奏時間の枠を選ぶ「フリーステップ」があります。参加歴を伝えるなら、ステップ名または時間枠、演奏した曲を添えます。

ヤマハグレードは音楽能力検定です。学習者向けのピアノ演奏グレード10〜6級などがあり、級に加えてコース名も確認します。「ヤマハで6級」と聞いたら、何のグレードを受けたかを証書で確かめます。海外の級を日本の級へ数字だけで換算せず、それぞれで学んだ曲や課題をレッスンに持ち込みます。

教材の「Book 3」「Level 4」も、シリーズ名と一緒に書きます。教則本を使ったことと、その名前の試験を受けたことは分けて伝えましょう。教本の表紙、使っていた巻、最近の曲が分かれば、先生は学んだ順序をたどれます。

次の目標は過去の試験歴から自由に選べます。引き続き受験するなら、曲に加えてどの課題を準備するかを相談します。試験から少し離れて作品を深く弾きたいなら、音色や解釈に時間をかけるレッスンを希望すると伝えてください。

Vienna Piano School
グランドピアノを弾く生徒に、楽譜を示しながら指導する講師。

クラシックピアノ個人レッスン

弾きたい音楽を中心に、一人ひとりに合わせたレッスン。

初心者から上級者まで。オンラインで国内外から受講できます。

ウィーン育ちのコンサートピアニスト、Enea。

Enea

ウィーン育ちのコンサートピアニスト

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体験30分 · 新宿の対面レッスンは2026年10月から

受講言語と音楽用語

日常会話とピアノのレッスンで、使い慣れた言語が違う方もいます。日本語で暮らしていても、ピアノは英語で習ってきたなら、fingeringやbarのほうが先に耳に入ることがあります。音色の好みを詳しく話すときは日本語を使いたい、という希望もあります。

言語の希望は場面ごとに伝えます。「説明は英語で、質問は日本語でもしたい」「日本語での受講を始めたいので、音楽用語は英語と対応させてほしい」。体験では、実際に一つのフレーズを直しながら、そのやり取りを試します。

私が言語を切り替えて教えるときも、中心に置くのは音です。「もう少し軽く」と言うだけでは、音量を下げるのか、音の切り方を変えるのかが曖昧です。同じ箇所を二通りに弾き、楽譜の位置を示して聴き比べます。言葉と、耳で捉えた違いを同じ場所に置きます。

ピアノの前で使える、日本語と英語の6つの表現

言葉を整えるより、今どの音を確かめたいかを伝えてみます。

弾く場所を確かめる

9小節目からですか?

From bar nine?

barは小節。measureという言い方も使います。

音を聴いて確かめる

一度弾いていただけますか?

Could you play it once for me?

言葉だけではつかみにくい音色やフレーズを、演奏で聴きたいときに。

手を分けて試す

左手だけで試してもよいですか?

May I try the left hand on its own?

両手では分かりにくい伴奏の音量や指づかいを確かめます。

説明を聞き直す

もう少しゆっくり説明していただけますか?

Could you explain that a little more slowly?

演奏のテンポではなく、説明の速さについてお願いする表現です。

理解を確かめる

ここでペダルを替えるということですか?

Do you mean I should change the pedal here?

hereに合わせて楽譜の位置を示すと、同じ箇所について話せます。

自分の課題を伝える

左手を弾くと、旋律が聴こえにくくなります。

The melody gets lost when I add the left hand.

分からないと伝えるだけでなく、実際に起きていることを説明できます。

聞き返すときは、「説明をもう一度」「左手だけ」「この小節から」のように、確かめたい対象を示します。先生の演奏を聴いたあとに自分で試すと、頭では分かったつもりでも音に出ていない部分が見つかります。そこで再び聴く、弾く、話すというやり取りが生まれます。

音名も最初に合わせておきたい言葉です。C・D・Eで読んできたのか、ド・レ・ミを使っていたのかを伝えます。ド・レ・ミには、固定した音の高さを表す使い方と、調の中の役割を表す使い方があります。馴染みのある旋律を歌い、同じ音を指しているかを確かめます。

英語で話す経験も積みたい方は、語学にどの程度の時間を使いたいかを相談してください。曲の背景や好きな演奏について英語で話す時間と、指づかいや音量差を集中して試す時間では、会話の役割が変わります。ピアノのどんな場面で外国語を使いたいかが、受講言語を選ぶ基準になります。

楽譜と演奏動画

前の先生と使っていた楽譜を持参しましょう。指番号、息をつく位置、強弱の書き込みには、これまで考えてきた音楽が残っています。私なら、まずその指づかいで弾いた音を聴きます。よく流れる箇所は生かし、途中で止まる箇所は前後の動きと一緒に見直します。

同じ作品でも、版によって指番号やページの区切りが変わります。作曲家、作品番号、楽章に加えて出版社名を伝え、レッスンでは普段の譜面を開きます。先生と別の版を使う場合は、小節番号で場所を合わせます。新しい教材を買うかどうかは、今の譜面と取り組む課題を見て決めます。

録画を使うなら、撮影時期と聴いてほしい点を添えてください。「昨年の発表会で仕上げた演奏」と「先週、練習中に撮った演奏」では、先生が知ることのできる内容が違います。発表会の動画からは曲全体のまとめ方を、最近の動画からは今困っている部分を聴けます。

練習動画では、問題の箇所の少し前から弾き、終わった先まで録ります。跳躍の着地で止まるなら、直前の音をどう離れているかも含めます。前後があると、孤立した一音では見えなかった動きや拍の変化が現れます。事前に動画を送りたい場合は、教室に受け取り方法を確認してください。

東京の楽器可物件と練習室

東京の住まいを探すときは、募集情報の「楽器可」「楽器相談可」という表記に注目します。見るべき条件は、使える楽器、演奏できる時間、防音設備です。

  • 楽器可: 認められている楽器の種類と時間帯を確認します。アップライト、グランド、電子ピアノのどれを使うかまで伝えます。
  • 楽器相談可: 使用する楽器と希望時間を伝え、貸主や管理会社に可否・条件を確認します。「ピアノを弾きたい」だけでなく、楽器の種類、置く予定の部屋、普段弾く時間を示します。

防音性能や24時間演奏の可否は、募集情報の条件欄や契約内容で確かめます。例えば、帰宅が20時頃なら、そのあとに演奏できる物件かが毎日の練習を左右します。内見や申込みの際に、希望する練習時間を伝えておきましょう。電子ピアノでヘッドホンを使う場合も、鍵盤やペダルの動作音を含めて使用条件を確認します。

室内に置かれたアップライトピアノの鍵盤と前脚

新宿周辺で教室や練習室を探すなら、普段使う路線と駅の出口から、建物の入口までの道順を見ます。職場から寄る日と、自宅から向かう休日では、便利な場所も変わります。仕事帰りに利用したい時間の予約枠、部屋に入ってから弾き始めるまでの準備も含めて、通う日の時間を考えます。

ピアノがまだ届かない時期は、練習室を使う曜日を決め、その日に楽器で確かめる課題を選びます。週末に一度弾くなら、新しい曲を大量に譜読みするより、馴染みのある曲の数か所を丁寧に聴くところから始めます。部屋の楽器や利用条件については、東京のピアノ練習室ガイドで詳しく紹介しています。

自宅の電子ピアノでは、機種名とペダルの仕様を先生に伝えます。左右の音量差や指づかいは普段の楽器で試し、アコースティックピアノに触れる日には、音の消え方やペダルで残る響きを重点的に聴く。二つの楽器の特徴を、練習の目的に合わせて使い分けます。

鍵盤に触れない日には、楽譜を見ながら旋律を歌い、録音を聴いてフレーズの区切りを考えます。次に弾く箇所を譜面に印しておくと、練習室に入ってからすぐ、その音を試せます。

対面では同じ空間で生の音を聴き、オンラインでは自宅の楽器で演奏を見てもらえます。移動の前後にオンラインで継続する場合も、受講場所に楽器と通信環境を用意します。形式ごとの特徴は、東京の対面・オンラインレッスンの比較をご覧ください。

中高生の希望と保護者の連絡

中高生の体験では、これまでの学習歴や通える時間を保護者の方から伺い、弾きたい曲や前のレッスンで好きだったことは本人に聞きます。二人が重視することを、それぞれ話してください。

「試験の曲から離れてショパンを弾いてみたい」「学校の合唱の伴奏をしたい」という希望から、選曲や練習の配分を考えます。合唱伴奏なら、声部を聴きながら拍を保つことや、歌い手が入りやすい前奏を弾くことも課題になります。独奏曲を仕上げる楽しさとは違う音楽の経験です。

保護者は日本語、本人は英語という場合には、レッスン中の言語連絡に使う言語を分けて相談します。例えば、演奏の説明は英語、家庭で確認する練習内容は日本語、という希望です。本人の理解と、保護者が予定を把握するための連絡を両方扱います。

転校後の時間割が決まったら、通学、宿題、学校行事とピアノの予定を並べます。忙しい週は曲の一部分を磨き、余裕のある週に先へ進むなど、学期の生活に合わせて課題を組みます。発表会や試験を希望する場合は、その準備時期も先生と共有しましょう。

体験レッスンで聴くこと

体験では、普段困っている箇所を弾き、先生の提案を一つ試します。説明の言語だけでなく、言われたことがどんな音になるのかを聴いてください。

旋律が伴奏に埋もれる場面なら、左手の最初の和音だけを少し静かにして、同じ旋律をもう一度弾く。そこで旋律の始まりが聴こえるか、曲の動きが変わるかを先生と確かめます。「右手をもっと出して」という一言から、実際に変える音の場所へ進むやり取りです。

前の先生と違う指づかいを提案されたら、「この指に変えると、次の音へどう動きますか」と尋ねます。新しい指づかいで前後を弾き、音の均等さやフレーズを比べます。提案の理由を音と動きの両方で説明してもらえるかは、長く学ぶうえで大切な点です。

体験後には、次の練習で試すことを一つ、自分の言葉で言ってみてください。「もっと表現豊かに」ではなく、「フレーズの終わりで、左手の音量を変えて聴き比べる」と言えるなら、家で取り組む内容が残っています。

教室全体の選び方や通い方は、東京で大人がピアノ教室を選ぶときのポイントで扱っています。この体験では、先生の言葉を理解し、実際に音を試し、その違いを一緒に聴けたかを振り返りましょう。

日英の自己紹介と申込み

最初の問い合わせは、冒頭の4項目を短い紹介文にします。現在の曲、希望言語、練習環境に、先生へ尋ねたいことを一つ添えましょう。

下の例は、海外で習っていた大人が東京で再開する場合の紹介文です。日本語と英語で同じ内容を載せています。曲名、学習期間、楽器を自分の状況に置き換えて使ってください。

先生に伝える、短い自己紹介の例

経歴・今の曲・受講環境。同じ内容を、日本語と英語で。

日本語

これまで

海外で5年間ピアノを習い、最近東京に引っ越しました。

今の曲と目標

今はモーツァルトのソナタK.545の第1楽章を練習しています。両手で弾くときの旋律と伴奏のバランスをよくしたいです。

言語と楽器

説明は英語を希望しますが、必要なときは日本語でも質問できると助かります。自宅では電子ピアノを使っています。

English

Background

I took piano lessons abroad for five years and recently moved to Tokyo.

Music and goals

I am working on the first movement of Mozart’s Sonata K.545. I would like to improve the balance between the melody and accompaniment when playing hands together.

Language and piano

I would prefer explanations in English, with the option to ask questions in Japanese when needed. I use a digital piano at home.

ご自身の曲名や練習環境に置き換えて使えます。受講できる曜日・時間が分かれば、最後に添えてください。

例えば、楽器の到着待ちなら「来月まで週末の練習室を使います。今の曲で何を優先して練習したらよいですか」と添えます。予定と音楽の質問が一緒にあると、最初のレッスンから、その期間に取り組む内容を話し合えます。

Vienna Piano SchoolのEneaのレッスンは、中学生以上の方を対象に、日本語・英語・ドイツ語で受講できます。オンラインは現在受講でき、東京・新宿での対面レッスンは2026年10月からです。30分の無料体験レッスンでは、今使っている楽譜と、続けて弾きたい音楽を聞かせてください。

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